コンポーネントの説明
検索メモリコンポーネントの仕組み
検索メモリコンポーネントは、ワークフローのメモリストレージ(いわゆる「長期メモリ」)から関連情報を検索・取得するためのものです。ユーザーのクエリを受け取り、保存されたドキュメントやナレッジリソースを検索し、最も関連性の高いコンテンツを返します。これは、過去情報の参照や、補助ドキュメントの取得、コンテキスト認識型応答が必要なAIワークフローで特に有効です。
コンポーネントの役割
- 目的: ユーザー指定のクエリでワークフロー内の保存情報を検索し、関連性の高い情報ピースを返却します。
- 利用例: チャットボットやバーチャルアシスタントなど、過去のナレッジやドキュメントを参照して応答する必要があるAIプロセスに最適です。
主な特徴
- 柔軟な検索: 結果数や類似度しきい値、ドキュメントからの情報集約方法などを指定可能。
- 出力カスタマイズ: 結果に含めるコンテンツの種類(見出しや段落など)を制御できます。
- ツールとの連携: 取得したドキュメントはメッセージ形式、元データ、またはフロー内で利用するツールとして出力可能です。
設定項目
| 入力名 | 型 | 必須 | 説明 | デフォルト値 |
|---|---|---|---|---|
| タイトル | str | いいえ | 出力内ブロックのタイトル | 関連リソース |
| 結果数上限 | int | はい | 返す結果の件数 | 3 |
| ポインタから取得 | bool | はい | trueならドキュメント内で最も一致度の高いポイントから取得、falseなら全体を取得 | true |
| リソースを非表示 | bool | いいえ | trueで取得リソースを出力から非表示 | false |
| max_tokens | int | いいえ | 出力テキストの最大トークン数 | 3000 |
| strategy | str | はい | 集約戦略:「ドキュメントを連結して最初からトークン上限まで充填」または「各ドキュメントから均等に抜粋」 | 各ドキュメントから均等に抜粋 |
| threshold | float | いいえ | 取得結果の類似度しきい値(0~1) | 0.8 |
| tool_description | str | いいえ | エージェントが機能理解のために使う説明文 | (空) |
| tool_name | str | いいえ | エージェント用ツール名 | (空) |
| use_content | multi-select | いいえ | エクスポートするコンテンツタイプ(例:H1-H6, 段落) | すべて(H1-H6, 段落) |
| verbose | bool | いいえ | デバッグやインサイト用に詳細出力するか | false |
入力
| 入力名 | 型 | 必須 | 説明 | デフォルト値 |
|---|---|---|---|---|
| 参照キー | str | いいえ | 長期メモリ内の特定情報を探すためのキー | (空) |
| 入力クエリ | str | はい | メモリ検索に使用するクエリ | (空) |
出力
このコンポーネントは用途に合わせて複数の出力フォーマットを提供します。
- ドキュメント(メッセージ): 取得情報をメッセージ形式で出力。会話フローへの統合に適しています。
- 生データ(ドキュメント): 一致したドキュメントの未加工データ。解析やパースに利用可能です。
- ツール形式(ツール): 検索結果をツール形式に整形し、複雑なエージェントワークフローの連携に活用できます。
| 出力名 | 型 | 説明 |
|---|---|---|
| documents | メッセージ | 取得した内容をメッセージとして出力 |
| documents_raw | ドキュメント | 未加工のドキュメント内容 |
| documents_as_tool | ツール | エージェント用ツール形式で出力 |
検索メモリを使う理由
- コンテキストAI: 過去のデータ参照で、AIの応答をより一貫性・情報重視に強化します。
- ナレッジ管理: 既存のドキュメントやユーザー提供情報を手動検索せずに活用できます。
- 高度なカスタマイズ: 検索戦略や出力形式をワークフロー要件に細かく調整可能。
利用シナリオ例
- 会話エージェント: 過去のやりとりやナレッジ断片を呼び出し、会話のコンテキストを維持。
- リサーチアシスタント: 大規模ナレッジベースから関連ドキュメントや抜粋をクエリで素早く抽出。
- 自動意思決定: 推奨やアクションの根拠となる情報を保存メモリから提示。
機能サマリ
| 機能 | 利点 |
|---|---|
| クエリベース検索 | 任意のユーザークエリに対して最適な保存情報を検索 |
| 出力オプション | メッセージ、生ドキュメント、ツール形式から選択可能 |
| カスタム検索 | 結果数・類似度しきい値・コンテンツ制御など柔軟に調整 |
| AI連携 | 動的なナレッジアクセスが必要なAIエージェントに最適 |
このコンポーネントは、メモリ検索・ドキュメント検索・コンテキスト強化が必要なあらゆるAIワークフローに活用できる多用途なビルディングブロックです。
よくある質問
- 検索メモリコンポーネントは何をしますか?
検索メモリは、ワークフロー内の保存メモリやドキュメントから、入力クエリを用いて関連情報を取得し、AIソリューションのコンテキスト認識力を高めます。
- どのように返却するドキュメントを選択しますか?
入力クエリに最も合致するドキュメントを取得し、返却件数や出力フォーマット・戦略の調整も可能です。
- 結果数やコンテンツタイプは制御できますか?
はい、結果数の上限設定、含めるドキュメントタイプの選択、抜粋の組み合わせ方法など調整できます。
- 検索メモリはチャットボットやワークフローにどのように役立ちますか?
過去のナレッジや長期メモリへアクセスできるため、より情報に基づき正確かつコンテキストに合った応答が可能になります。
- 検索メモリは高度なAI用途にも適していますか?
もちろんです。過去データからのナレッジやコンテキスト取得が重要な複雑なフローにも対応できるよう設計されています。
