フローの説明
目的と利点
概要
このワークフローは、Googleスプレッドシートを基盤としたAIアシスタントを実装し、ユーザーの質問に提供されたGoogleスプレッドシートの情報のみを用いて回答します。システムは信頼できるドキュメント根拠のある回答を保証し、シートに存在しない情報は一切導入しません。ワークフローはモジュール化されており、拡張性が高く、ドキュメントベースの質問応答やサポート業務の自動化に適しているため、ナレッジマネジメントやカスタマーサポート、社内文書検索に有用です。
ワークフロー構成
ワークフローは以下の主要コンポーネントで構成されます:
ノード名 | 目的 |
---|
チャット入力 | ユーザーの問い合わせやファイルのアップロードを受け付けます。 |
メッセージウィジェット | ユーザーにウェルカム(または案内)メッセージを表示します。 |
チャット出力 | ウェルカムメッセージやAIによる回答などをユーザーに表示します。 |
チャット履歴 | 直近のチャット履歴を短期間記憶し、AIエージェントに会話の文脈を提供します。 |
Googleシートリトリーバー | 指定されたGoogleスプレッドシートの内容を取得し、エージェントが参照できるツールとして準備します。 |
ツールコーリングエージェント | Googleスプレッドシートのみを知識源としてユーザーの質問にAIで回答します。 |
フロー内のエッジがこれらのノードを接続し、ユーザー入力からドキュメント取得、AI推論、ユーザーへの出力までデータが円滑に流れるようにします。
ステップごとのロジック
ウェルカムメッセージ & 入力受付
- ユーザーがアシスタントを開くと、メッセージウィジェットがカスタマイズ可能なウェルカムメッセージを表示し、ドキュメントのアップロードまたは選択、質問の入力を案内します。
- チャット入力ノードがユーザーの質問(テキストまたはファイルアップロード)を受け取り、ワークフローに渡します。
ドキュメントの取得
- Googleシートリトリーバーノードで、ユーザーまたはシステムが情報源として使用する特定のGoogleスプレッドシート(およびシートタブ)を選択できます。ノードが内容を取得し、AIエージェントが利用できる「ツール」インターフェースとして公開します。
チャット履歴の文脈付与
- チャット履歴ノードが直近5つのメッセージ(最大800トークンまで)を記録し、AIが複数ターンの会話でも一貫性や文脈を持った回答をしやすくします。
AI推論(制限付き)
- ツールコーリングエージェントが中核のAIコンポーネントです。次を行います:
- ユーザーの質問と関連するチャット履歴を受け取る。
- 知識源はGoogleスプレッドシートのみ。
- 詳細なシステムプロンプトで以下を徹底:
- 回答は厳密にシート内容のみで行う。
- 外部知識や仮定は一切不可。
- 答えがなければその旨を明示。
- 透明性のため引用を推奨。
回答の提示
- AIエージェントの回答はチャット出力ノードを通じてユーザーに表示されます。
フローダイアグラム(概念図)
[ユーザー入力]
↓
[ウェルカムメッセージ] → [チャット出力(ウェルカム)]
↓
[チャット入力]
↓
[ツールコーリングエージェント] ← [チャット履歴]
↑
[Googleシートリトリーバー]
↓
[チャット出力(回答)]
主な特徴とメリット
厳格なドキュメント根拠:
すべてのAI出力が提供されたGoogleスプレッドシートに裏付けられていることを保証し、コンプライアンス・信頼性・透明性を確保します。
スケーラブルかつ再利用可能:
モジュール設計のため、さまざまなドキュメントの差し替えや取得設定の調整、AIモデルの入れ替えも柔軟に行えます。
知識提供の自動化:
ユーザーがドキュメントベースの問い合わせに自己解決で対応できるため、サポート負荷を削減し、情報アクセスを拡張します。
文脈を考慮した回答:
直近のチャット履歴を活用することで、フォローアップ質問や複数ターンのやり取りにも効果的に対応します。
エラー処理:
ドキュメントに答えがない場合は、AIが明確に伝えるため誤情報を防ぎます。
利用例
- 社内ナレッジベースQ&A:
社員がGoogleスプレッドシートに保存されているポリシー文書や価格表、プロジェクト記録などを検索・参照できます。 - カスタマーサポート:
顧客が製品仕様やFAQなど公式ドキュメントに基づく正確な回答を受け取れます。 - 自動データ抽出:
業務シートからのアドホックなデータ問い合わせにも構造化された回答を提供します。
結論
このワークフローは、選択したGoogleスプレッドシートの内容のみに基づいて質問に回答するプロセスを自動化します。ドキュメント根拠への厳格な準拠と堅牢かつ拡張性ある設計により、正確・監査可能・効率的な情報提供を求める組織にとって価値あるツールとなります。