フローの説明
目的と利点
このワークフローは、社内ナレッジソースを活用し、ユーザーに正確で有用、かつコンテキストを考慮した回答を提供するカスタマーサービスチャットボットを定義します。このフローは顧客対応を自動化し、サポート業務を効率化し、ユーザーがタイムリーかつ適切な回答を受け取れるよう設計されています。
メインフローステップ
1. チャットセッション開始とウェルカム対応
- Chat Opened Trigger: ユーザーがチャットセッションを開いたタイミングを検知してフローが開始されます。
- ウェルカムメッセージ: ユーザーに親しみやすく案内的なウェルカムメッセージを表示し、質問を促しチャットボットの目的を説明します。
- 出力表示: ウェルカムメッセージがチャット画面に表示され、ユーザーが最初から案内されていると感じられるようにします。
2. ユーザー入力への対応
- Chat Input: ユーザーがメッセージや質問を送信すると、それを受け取り処理します。
- Chat History: 会話履歴を取得し、コンテキストとして利用可能にし、ボットが一貫性のあるサポートを提供できるようにします。
- Document Retriever: ユーザーの質問をもとに接続されているナレッジソースやドキュメントを検索し、最も関連性の高い情報を取得します。
3. 動的プロンプトの構築
- Prompt Template: 以下の変数を用いて動的なプロンプトを組み立てます:
- {input}: ユーザーの最新メッセージ
- {chat_history}: ユーザーとの会話履歴
- {context}: 社内から取得したナレッジスニペット
- プロンプトはAIに対して、親切なカスタマーサービスボットとして簡潔に回答し、不明な場合はサポートリンクを案内するよう指示します。
プロンプト例の構成
セクション | 内容 |
---|
システムメッセージ | “You are a helpful AI customer service bot…” |
チャット履歴 | ユーザーとの直近の会話 |
ナレッジ | 取得したドキュメントやナレッジスニペット |
ユーザー入力 | ユーザーの現在の質問 |
回答 | AIが生成したレスポンス |
4. AIによる回答生成
- Generatorノード: 組み立てたプロンプトがAIモデル(LLM)に送信され、提供されたコンテキストと履歴をもとに適切で正確な返信を生成します。
5. 回答の提示
- Chat Output: 生成された回答がチャットインターフェースでユーザーに表示され、応答ループが完結し、必要に応じてさらなるユーザー入力を待ちます。
ワークフロービジュアライゼーション
以下は、主なノードとそれぞれの役割を簡単にまとめたものです。
ステップ | ノード/コンポーネント | 目的 |
---|
1 | Chat Opened Trigger | 新しいチャットセッションを検知し、ワークフローを開始 |
2 | Message Widget | ウェルカムメッセージを送信 |
3 | Chat Output | メッセージをユーザーに表示 |
4 | Chat Input | ユーザーからのメッセージを受信 |
5 | Chat History | 最近の会話履歴を取得 |
6 | Document Retriever | ナレッジソースを検索 |
7 | Prompt Template | AI向けにコンテキストを含むプロンプトを作成 |
8 | Generator | AIで回答を自動生成 |
9 | Chat Output | 生成した回答をユーザーに送信 |
メリットと有用性
- スケーラビリティ: ワークフローは多くの顧客からの問い合わせを同時に処理でき、人手を介さずにサポート体制を拡張できます。
- 自動化: 情報検索と回答生成を自動化することで、手作業の負担を減らし、サポート品質の一貫性を保てます。
- コンテキスト認識: チャット履歴とナレッジ検索を組み合わせることで、関連性が高くパーソナライズされた最新の回答が可能です。
- 簡単なカスタマイズ: システムメッセージやプロンプトテンプレートを簡単に編集でき、企業ブランドや方針変更にも柔軟に対応できます。
- フォールバックサポート: ボットが回答できない場合もサポートリンクを案内し、顧客体験を損なわず対応します。
利用シーン
- ECサイト、SaaS、各種サービス企業のカスタマーサポート
- よくある質問(FAQ)や一般的な問い合わせへの対応
- 新規ユーザー向けガイド付きオンボーディング
- 繁忙期におけるサポート業務の拡張
このワークフローにより、組織は最小限の手動対応で迅速・正確・スケーラブルなカスタマーサービスを提供でき、業務効率と顧客満足度の両方を向上させます。